以前に私の四柱推命の師匠から「本当の母だとしても継母(ままはは)のような母親」と教えられた内容があるのですが、これはバッチリその条件に当てはまる命式です。
これは出生時刻が不明のため三柱ですが、実在のある女性の命式です。
時日月年
●丁乙丁
●巳巳卯 月令:丙火
この命式の持ち主は継母のような実母を持って生まれたということになります。
月干の位置、丁度育った実家の柱の位置に母親の星の印星があります。
でもこの母親の星があってもこれだとダメなのですね。
それで「正印じゃなくて偏印だから継母みたいなんでしょ?」というわけではありません。
偏印のお母さんが命式の表れている人でもお母さんとの関係は問題なく良好な人は世の中にたくさんいます。
神殺星とか空亡とか墓に入墓したからとかそういうのとも全く関係なくてもっと全然違う別の理由です。
実はこれは今から15年ほど前の夏に大阪で起こり日本中を騒然とさせた、大阪二児放置死事件の痛ましい事件の犯人の女性の命式です。
たまたま四柱推命の勉強とは関係なくこのあまりにも惨い事件のいきさつと彼女の生い立ちを調べていた時に命式が気になり出してみたところ、教えられていた母親からの愛情が薄い命式の条件に見事に当てはまっていたため、こういうことは本当にあるのだとゾッとしたものです。
ネットや書籍で調べたところ、この我が子二人とも餓死させてしまった母親自身も幼少期に実母から捨てられて、その後父親は残された子供たちを顧みることはせず別の交際相手の女性を次から次へと変えるなどして、彼女にとって女親に当たる存在の人はおらず殆どネグレクト状態で育ったとのことでした。
実の母親から与えてもらえる温かい食事と暖かいお布団にお風呂、女の子らしくきれいに身なりを整えてもらえるといった日常生活のごくごく当たり前の愛情を受けずに育ってきたそうでした。
そのような生い立ちの彼女を思うととても気の毒な気持ちにはなりますが、自分が親から酷い育てられ方をしたからといって自分の子供にまで連鎖させてもいい、しょうがないというわけではありませんし、虐待は必ず連鎖するというわけではなく酷い実親を反面教師として立派に子育てをしている人もたくさんいることでしょうし、一人親家庭でもしっかり子育てしてきた人はたくさんいます。
でもこれは親から連鎖してしまう様子が出ている命式です。
印星=後ろ盾や支えですから彼女はこれが薄かったので、離婚した元夫の両親や自分の実の父親からも子育ての助けを拒否されて、都会の密室で一人で抱え込むことになりました。
幼い子供を2人も一人で抱え、まだ若く社会経験も乏しく心もとない彼女をしっかりサポートしてくれる存在があればこのようなあまりにも惨い悲劇的な事件は起こらなかったことでしょう。
周囲の人との関係、人との縁で運命は大きく変わるものだなと思いました。